突然ですがあなたの毎日の通勤時間はどのくらいでしょうか?
片道30分?1時間?もっとですか??
長い通勤時間は本当に辛いものですよね。
なんとかして解消したいと切に願っている人も多いでしょう。
一般的には通勤時間の不満がある場合は引っ越しを考えるのが普通かもしれません。
特に独身や子供がいない夫婦、賃貸に住んでいる家庭であれば引っ越しのほうがハードルが低いと感じるでしょう。
確かに今の職場や仕事内容そのものに不満がなく、引っ越しが容易ならばあえて転職する必要はないと思います。
ですが、すでに家を購入している場合や子供への影響を考えた場合など、様々な理由で引っ越しが困難な人も多いはずです。
そういった場合、職場が遠いから転職という選択肢は選ぶのは中々勇気がいると思います。
そんな人に向けて『職場が遠いという理由での転職がありなの?』『他にも同じ様な人はいるの?』そしてなにより『現実的な問題として転職は可能なのか??』というのを考えてみます。
長距離通勤に悩まされている人は必見ですよ!!
辛い長距離通勤の現実と恐るべきデメリット
まず普段の通勤によるデメリットをおさらいしてみましょう。
『今更言われなくても十分感じているよ…』という人も、実は自分で意識している以上に大きなマイナス面があるかもしれませんよ。
1.実労働時間以外の拘束時間による損失
個人的には通勤時間は給料が出ない一種の拘束時間だと思っています。
職場が遠いというのはある意味で残業が多いのと同レベルと言えるのではないでしょうか。
しかし通勤時間に給料は出ません。
毎日片道1時間でも往復で2時間。
1ヶ月で20日間としても40時間です。
もし時給に換算したら結構な副収入になりますよね。
在宅ワークや自営業でもない限り通勤時間を0にする事は出来ませんが、職場を変えることで通勤時間を減らす事は現実的に可能です。
その時間を使って副業に当てれば本当に副収入に変えることができます。
今はクラウドワークスなどのサービスを使えばスキル0の一般の人でも明日からパソコン一つでノーリスクで副業が可能な時代です。
通勤時間によってその機会をみすみす逃していると考えれば、実は毎月数万円損しているとも考えられるわけです。
2.緊急時や体調不良の際の帰宅のつらさ
通勤に時間がかかるというのは物理的に距離が遠い場合がほとんどですが、そういった場合いざ緊急時にすぐに帰りたいとおもってもなかなか難しいものです。
体調が悪くなって早退する場合でも中々家に着かなくて悪化するかもしれません。
長距離電車の中で腹痛になったときなんて最悪ですよね。
早く着くように祈るしかありません。
通勤電車の距離が長いということは、その分なんらかのトラブルが発生する可能性が高くなるわけですから遅延なども発生しやすくなります。
事故や故障で快速運転が中止になったりすれば、ただでさえ長い通勤時間がより長くなります。
僕も経験がありますが、急いで帰宅したいときに限ってそういう事が重なりものすごくイライラするんですよね。
通勤時間は快速や急行を使った最短の時間をもとに想定してしまいますが、1週間あたりの平均時間でならしてみると実際にはもっと長くなるのが普通です。
3.『通勤時間を使って勉強』は実は効果半減?
通勤時間を利用して勉強に励むという人は多いと思います。
確かに通勤ではある程度まとまった時間とれますから、その時間を勉強に当てるというのは一見効果的に思えます。
しかし、実際には通勤中の勉強は効果が半減すると言われています。
長距離の通勤の場合、その殆どは車内が混雑しているはずです。
その様な状況で十分に勉強に集中できるでしょうか。
多くの場合、音声による学習や参考書を読むのが精一杯ではないでしょうか。
これらは基本的に学習における『インプット』となる行為です。
ですが実は勉強において重要なのは『アウトプット』の方なのです。
これは多くの人が陥りがちな罠ですが、本を見ただけ、読んだだけでは『理解は出来ても知識として体には身についていない』のです。
混雑した電車の中ではノートに答えを書いたりキーボードを入力したりといったアウトプットは困難なため、ついインプットだけで済ませがちです。
そうすると頭に入ったつもりでも結局はすぐに忘れていまい知識として定着しないんですよね。
その為、結果的に通勤時間中に勉強してもイマイチ効果が上がらないということになるのです。
『職場が遠い』という理由での転職は実際にあり得るのか
さて、長距離通勤によるデメリットがわかったところで実際に『職場が遠い』や『通勤が大変』という理由によって転職したという例はあるのか?というのが気になりますよね。
「転職 理由 ランキング」といったキーワードで調べてみると様々な転職理由を見つけることが出来ます。
DODAやマイナビといった大手の転職サイトでそれらのアンケート結果が公表されています。
しかし、結論から言って残念ながら直接この様な不満は転職理由としてはほとんどありません。
やはり職場が遠いというのは転職理由としてはあまりにも弱いのでしょうか?
それぐらい我慢すべき、ということなのでしょうか??
いえいえ、きっとそうではないはずです。
各社が発表している結果をもとにみんなの本音を見てみましょう。
1.DODAの転職理由ランキングと傾向
今回調査した中でもっとも母数が多く、実に8万件もの有効回答数があるようです。
10年近くに渡ってアンケートをとっており業種や年齢など様々な角度から検証されていますね。
2位以下を大きく引き離して『他にやりたい仕事がある』が1位です。
これはどちらかというとポジティブな理由といえそうですね。
やはり仕事は単純に待遇だけで決まるものではなく、仕事内容そのものに対するやりがいといった点も非常に重要であることがよくわかるランキングですね。
7位の『U・Iターンしたい』が『職場が遠い』にやや近しい属性かもしれません。
2.マイナビの転職理由ランキングと傾向
同じく大手のマイナビの転職理由ランキングの結果がこちらです。
こちらは給与や待遇面への不満が1位です。
全体的にネガティブな理由が多いようですね。
9位の『希望の勤務地ではない』が最も『職場が遠い』に近い内容ではありますが、やはりランキング上は決して高くはありません。
3.リクナビの転職ランキングと傾向
最後はリクナビのランキング結果です。
リクナビもリクナビで他の2社のアンケートと大きく結果が異なっており、上司や経営者に対する不満が1位となっています。
他の理由を見ても、なんか全体的にブラック企業感漂う雰囲気がするのは気のせいでしょうか…。
職場のへの距離に関する不満は全くかすってもいませんね。。。
調査結果からわかる転職理由の現実 まとめ
結局、突き詰めて考えれば転職の理由は現状への何らかの不満ということになります。
どうやら殆どの場合、転職の理由は『会社そのものに不満がある』『仕事内容を変えたい』『待遇を改善したい』『自分自身を高めたい』といったパターンに分かれるようです。
不満の種類 | 主な具体的理由 |
会社自体に不満 | 評価方法に不満がある、人間関係がうまくいかない、会社の将来性が不安、など |
仕事内容に不満 | 他にやりたい仕事がある、仕事にやりがいを感じない、など |
待遇や環境に不満 | 給与が安い、残業が多い/休日が少ない、土日祝日に休みたい、など |
成長の場として不満 | 専門知識・技術を習得したい、幅広い経験・知識を積みたい、市場価値を高めたい、など |
しかし、通勤は多くのビジネスマンにとって大きなストレスの種でしょう。
これが不満として出てこないはずがありません。
ではなぜランキングに入ってこないのでしょうか。
それは通勤が『仕事とプライベートの間のグレーゾーンな部分』にある為ではないかと考えています。
『職場が遠い』が転職理由ランキングに入らないのはなぜか
普通は職場について業務を開始し、そして退社するまでを仕事時間と考えると思います。
その為、移動中である通勤時間は仕事上の不満に含めない人が多いのではないでしょうか。
確かに通勤の時間中は漫画でもゲームでも睡眠でも好きに出来るのでプライベートな時間と言えます。
その一方で職場に移動するための必ず必要な時間ですから、ある意味では仕事の延長の拘束時間とも言えます。
先程も言ったように転職の理由の根源は『現状に対する不満』であり理想と現実とのギャップです。
そういった観点で考えれば通勤によるストレスは潜在的な理由としては存在しているはずです。
個人的には、通勤は仕事するために必ず必要となるものなので拘束時間であると考えているので、これは十分に転職理由に値するというのが見解です。
片道30分以下の通勤の現実
少し話は変わりますが、僕はかつて自宅の玄関から職場まで片道20分ちょっとで通っていた時期がありました。
このときは乗換もなく一本で行けたので正直めちゃくちゃ楽でしたね。
電車に乗っている時間は10分足らずで会社は駅から徒歩1分。自宅から駅も7~8分程度でしょうか。
朝はギリギリまで寝てられますし、残業して遅くなっても他の同僚がまだ電車に揺られている頃に自分はもう風呂に入っているわけです。
あまりにも快適すぎて通勤ストレスは極めて低かったです。
乗っている時間が短いのですからトラブルに巻き込まれる心配も少ないですし、遅延や運休の影響も受けづらかったです。
遅くなったときはタクシーを使っても大した金額じゃありませんし、その気になれば徒歩でも帰れるのです。
一度経験してみるとわかりますがそのメリットは計り知れません。
30分と1時間では天と地ほどの違いがあります。
電車に乗ってもスマホをちょっとチェックしていたらもう目的の駅についていますからね。
「現実的に」近い職場に転職は可能なのかを考える
さて、では「職場が遠いので近い場所に転職する」が現実的に可能なのかを検証してみます。
仮に転職の理由としてまともだとしても全く仕事が見つからないのでは意味がないですし、あっても条件面が悪くなりすぎてはやはり現実的に転職は不可能でしょう。
前述の通り、職場が遠いにもかかわらず転職できない人はすでに家を買ってしまっているパターンも含まれますから、多くの場合家族を養わなければなりません。
したがって現状の生活水準や業務負荷がより上昇する、あるいは現状と同等レベル~許容範囲であることは重要なポイントになりますよね。
上記を含め、それ以外にも不安として出てきそうな点をまとめてみました。
不安1:まともな仕事が見つからないのでは?
一番の不安はこれでしょう。
仮に自宅から徒歩5分でも『ただし月収は15万円』ではそもそも生活が成り立ちません。
同様にやりたい仕事とまるでかけ離れていたとしても『ちょっとその業務内容は、、、』となり、結局転職にはいたらないでしょう。
結論から言って、仕事そのものは別に都内に限らずその近県でも十分過ぎる程あります。
特にIT系の企業の場合、神奈川方面や東京西部に拠点を置く傾向が強いですし、メーカーやその子会社も千葉埼玉に多数進出しています。
給与面での待遇も東京とほぼ変わらない企業が多いです。
従って本人が転職で何を重視するかという点がしっかり整理されていれば、都心部以外の地域でも問題無くまともな仕事は見つかるはずです。
不安2:職場に近いという理由で頻繁に呼び出されるのでは?
これもよく聞く話ではありますが、正直言って都市伝説と言ってもいいレベルのネタです。
よくあるのがトラブル時や忙しい時、急に人手不足になったときなどに呼ばれるという話ですよね。
まともな会社ならば普通は距離ではなく立場や役職に応じてしかるべき担当者を割り当てます。
ぼくも今までエンジニアとして様々な現場にいましたが、近いという理由で誰かが呼ばれたのは見たことがありません。
年に一度あるかないか位の頻度ならともかく、冷静に考えてそのような理由で呼び出す会社は逆ちょっと問題ですね。ブラック企業の素質ありです。
今後ますます働き方改革が本格化していく時代です。そういった会社は廃れていくのは間違いないでしょう。
不安3:オンとオフが切り替えられないのでは?
職場が近い故に仕事とプライベートの切り替えが出来ない、というのは会社の近くに住んでいる人の意見として実際に一定数はあるそうです。
さすがに家を出て5分で会社に到着するようだと完全に地元なので切り替えも出来ませんし、プライベートの時に会社の人に会う可能性も高いですよね。
あまりにも近すぎると確かにそういったデメリットはあると思います。
個人的にはドアtoドアで30分位がベストな距離感だと感じます。
これくらいだと程よい距離感でオンオフの切り替えもできますし、普段地元で会社の人に会う可能性も低いでしょう。
不安4:転勤や出向などでまた遠くなるのでは?
これも事前にしっかりと自身の目的を明確にした上で転職活動を行えば問題ないでしょう。
実際に転勤や出向が存在しない会社は多数あります。
ましてや都心部ではなくあえて地方に拠点をおいている企業は、その立地をメリットの1つと捉えているためその傾向はより強いでしょう。
そういった会社も選ぶのも手ですし仮に支店間の異動やプロジェクトに応じた出向が存在する企業であっても、長距離通勤は避けたいという点を説明した上で面接に望むことで不本意な配置転換は避けられるでしょう。
先程もお伝えしたとおり、転職活動する際には何を重視するかをはっきりさせるというのは非常に重要です。
内定をもらうことを意識しすぎて、ついあれもこれもOKと伝えてしまうと後から後悔することになりますので注意してください。
最後に
職場が遠いという状況は転職の理由としては中々表面化することはありません。
つい『そんな理由で転職なんて…』と考えて、そのまま我慢してしまう人も多いと思います。
ですが実際には潜在的な不満は多いはずですし、長距離通勤によってさまざまなデメリットがあることもわかってもらえたでしょう。
通勤にストレスを感じ続ける人生は非常にもったいないことです。
思い切って一歩踏み出して見てはいかがでしょうか。
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