仕事を辞めるときには必ずなんらかの理由があります。
他の人がどんな理由で仕事を辞めるのかって正直気になりますよね。
会社を去っていった人にやめた本当の理由を聞ける機会は中々ありませんから、実際の本音はわからないものです。
しかしネット上には様々なアンケートによる退職の理由ランキングというものが載っています。
今回はそんな『あなたが仕事をやめた理由ランキング』から退職の本音と、そこから導かれる恐ろしい事実について語ってみたいと思います。
アンケートによる退職理由ランキングベスト10
これは『職場が遠いから転職』はありなのか?長距離通勤のデメリットと現実でも記載した大手転職サイト3社が発表している退職理由ランキングの転載です。
(DODAのランキングは退職理由ではなく転職理由だったためen_japanに差し替えています)
・en-Japan
・マイナビ
・リクナビ
これらは面接官ではなく一般社員本人に対するアンケートですから、本音ベースの回答になっているはずです。
実はこの結果、よく見ると非常に気になる傾向が読み取れるのですがなんだかわかりますか?
退職理由ランキングから見る日本の職場環境のヤバさ
ではひとつずつ見ていきましょう。
まずen-Japanの退職理由ランキングの1位はぶっちぎりで『人間関係が悪かった』で、2位にダブルスコアをつけての大差です。
マイナビでも『職場の人間関係が良くない』は2位となっていますね。
リクナビはさらに強烈で『1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった』『3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった』『6位:社長がワンマンだった』と対人関係の原因が多く、合計で43%と約半数が【人に対する不満】です。
世の中にある日本の企業の大半の現場で退職に追い込まれるほどの対人関係の不満がくすぶっているということです。
これって冷静に考えてみるとものすごい職場環境といえるのではないでしょうか。
いやいやスゴイっていうかちょっとコレ異常でしょう。
しかもおそらく潜在的にはもっとあるはずです。
考えてみれば過労死や自殺などが起こるのも、ブラックな環境もさることながら『職場の誰にも相談できない』『上司や同僚も助けてくれない』という人間関係が壊れた職場環境という土壌があるためといえるでしょう。
いやはやすごい事実です。そりゃ生産性も上がりませんよ。
海外における退職理由ランキングは?
では海外を例にしてみるとどの様な退職理由が多いのでしょうか。
以下のサイトにヒントとなりそうな情報がありました。
参考 The 7 Reasons Why People Change Jobsrecruitingdaily上記は海外のサイトで『The 7 Reasons Why People Change Jobs』というタイトルの記事です。
まあ意訳すると『人々が転職する理由7選』といったところでしょうか。(これも厳密には退職理由ではなく転職理由ですが参考にはなるかと思います)
それによると海外(おそらくアメリカ人)の退職理由ランキングベスト7は以下のようになっています。
1位 Lack of Opportunity(機会の欠如)
→成長する機会、活躍の機会が与えられない事による不満
2位 Bad Management(上司の管理能力不足)
→上司のマネジメントに対する不満
3位 A Toxic Workplace or Company Culture(悪質な職場環境や企業体質)
→職場環境が社風に対する不満
4位 Career Advancement and Promotions(キャリアアップ、昇進)
→よりよいキャリアアップを求めての転職
5位 Excessive or Too Little Work(仕事多すぎ/少なすぎ)
→与えられた仕事量に対する不満
6位 A Better Salary and Financial Stability(より良い給与&安定した生活)
→よりよい待遇(給料)を求めての転職
7位 A Lack of Rewards and Benefits(適正な報酬)
→今の給与が仕事や結果に見合っていないという不満
※日本語訳は僕の意訳も含まれるので参考程度に見てください。
意外にも実は日本とあんまり変わらないようなランキングでした。
本当はアメリカの転職理由ランキングはほとんどポジティブなものばかりです!すごいでしょ!みたいな結論にしたかったのですが。
新しい環境への変化に抵抗がないアメリカ人
アメリカ人の転職の基本概念は『どうしたらよりよい環境、待遇を得られるか』です。
使えない社員はすぐクビにされるのと同じように従業員もまた『この職場にいてもダメだな』と判断したらさっさと転職します。多分。
つまり同じようにネガティブな理由があっても『我慢し続けるのが日本人』『さっさと転職するのがアメリカ人』というわけです。
当然、対人関係の不満があった場合も自分がのびのびと活躍できるステージを探すだけの話です。
我慢し続けてストレスを溜めて生産性の低い長時間労働を続けるなんて、彼らに言わせればナンセンスでしょう。実に合理的かつシンプルです。
ご存知のようにアメリカでは転職が極めて一般的で、一人の人が生涯で平均10回近く転職するそうです。
転職はキャリアビジョンの選択肢の一つであり、むしろ同じ会社にずっと留まるほうが珍しいわけです。
ですから『成長できない』『活躍できない』『正当に評価されない』そんな会社に我慢して残り続けるなんてことはしません。
まだまだ終身雇用がはびこる日本とはまるで違いますよね。
そもそも日本人は環境変化に対する抵抗感が強い人が多いです。
要は保守的な性格が多いということですね。(僕自身もそうなのですが)
辞める理由はなんでもいい。我慢して残ることが問題
ちなみに僕の場合、その時の会社がものすごくヌルい環境で、経験年数の割にまったくスキルがついていなかったことに焦ったというのが大きな転職理由ですね。
その後何回か転職を繰り返し、結果的にスキルアップもできましたし給料も大幅に増えているので転職してよかったと思っています。
(転職してみるといかに前の会社がヌルすぎる現場だったのかよくわかりましたから、もし未だに残っていたら今頃は。。。と考えるとゾッとします)
僕自身『このままじゃ本当にやばい!』とケツに火がつかないと転職を決断できませんでした。
だから初めての転職が非常にハードルが高いと感じる事はよくわかります。
しかし、同時にやってみれば簡単だったと思えます。
そう、もっとシンプルに考えればよかったのです。
また、転職だけでなく【海外にワーキングホリデーに行きたい】とか【日本一周の旅をしてみたい】あるいは【大学や専門学校で学び直したい】といった理由もまたポジティブと言えるでしょう。もちろん金銭面を始めとして様々なハードルがあるので無責任なことは言えませんが、個人的には建設的で素晴らしい選択だと思います。
『今の会社を辞めたらもっと悪い条件にならないだろうか』と考えてずっと残るよりも『仮に次の会社がイマイチでもまた転職しちゃえばいいさ』くらいの気持ちで逆に考えた方がうまくいくものです。
案ずるより産むが易しとはよくいったもので、スキル面では同世代のエンジニアの中で相当下の方という自覚がある僕でも確実に転職の度に条件はよくなっています。
今は有効求人倍率も高くかつてないほどの売り手市場の時代です。
せっかくですからあなたも転職を考えてみませんか。
実際の転職の流れについては【転職のやり方がわからない人へ】絶対に失敗しないための13ステップを参考にしてみてください。
まとめ
今回は、大手転職サイトの仕事を辞める理由のランキングから見た日本の職場環境について考えてみました。
想像以上に対人関係で悩んで退職していく人が多いことがわかりました。
色々な人と関わりながら仕事をしていく以上、コミュニケーションは欠かせません。
中にはどうしたって人間関係がうまくいかない職場もあるでしょう。
そんなときは我慢せずに思い切って環境を変えてみましょう。
大丈夫です、見ての通り実際に人間関係が理由で辞めている人は多くいるのですから。
新しい環境では素晴らしい仲間に恵まれるかもしれませんよ。