社会人になるとどうしても時間が足りないと感じることが多くなります。
やりたいことが沢山あっても、忙しいの日々の中でどうやって時間を作ればいいのかが悩みのタネですよね。
毎日のスキマ時間を活用したり、日々のなんとなく過ごしている時間の使い方を見直したりと方法は色々ありますが、なかでも日々の1/3を占めている睡眠時間を健康的に短縮できれば多くの時間を生み出せます。
あ、もしかして『いやいや絶対体に悪いでしょ』『寿命を削っているだけ』『睡眠時間を健康的に短縮する方法なんてない』とか思ってますね?
ところがどっこい、そんなあなたに是非見てほしいのが今回紹介する『4時間半熟睡法』という本です。
実際に僕が1年間に渡って続けた結果、なんと400時間もの余剰時間を生み出すことができました!
しかも体に大きな負担はかかっていませんし、健康面の悪影響も今の所ありません。
コレってすごくないですか?400時間あればかなりのことができますよね!
そんなわけで今回は『4時間半熟睡法』の正しいやり方とリアルな実体験をレポしちゃいます!
『毎日忙しい!もっと時間がほしい人』という人も『短眠法に興味はあるけど健康面で不安がある』という人もきっと参考になるはずです!
遠藤流『4時間半熟睡法』とは
今回紹介する4時間半熟睡法は遠藤拓郎氏の睡眠関連本『朝5時半起きの習慣で人生はうまくいく!』という本を元にしている。
ではまずこの『4時間半熟睡法』の正体について明らかにしたいと思う。
この手法のポイントをわかりやすくかいつまんで説明していく。
これは『世界一の睡眠の専門医』と呼ばれる医学博士 遠藤拓郎氏が提唱する睡眠法のことで人間の睡眠サイクルである90分をベースに『4時間半睡眠による短眠法』と『5時半起床という起床術』の2つを組み合わせたものだ。
そもそも人間の体内時計は25時間である。これはDNAと時計遺伝子という仕組みによって決まっている。
一方で1日は24時間。
つまり人間の体内時計にまかせていると、毎日1時間ずつ1日の時間がズレていくことになるが、そのズレをリセットしてくれるのが太陽の光だ。
人間は太陽の光を浴びることで時計遺伝子の増加スピードが速まり、結果として1日24時間に合わせて生活が出来る。
このことからも睡眠と太陽の光というのは密接に関係しており、この4時間半熟睡法でも『太陽光』が重要なキーワードになっている。
ではこの『4時間半睡眠法』のポイントを上げていこう。
大きく分けて以下の4つだ。
- 太陽光の影響と重要性
- 体に悪影響を与えないベストな方法(短眠法)
- 4時間半睡眠を無理なく体に叩き込む(起床術)
- 快適な睡眠環境を作り、眠りの質を高める
順に説明していく。
どれも重要なコツとポイントになるのでしっかり見てほしい。
ポイント1 太陽光の影響と重要性
先程も言ったように人間の体内時計は25時間で、太陽の光を浴びることで24時間になる。
太陽光を浴びる時間を調整することで体内時計はそれ以上に変化する。
この本によると以下の2つに分類される。
- 午前3:00~9:00→体内時計を早くする
- 18:00以降→体内時計を遅くする
「ん?18時以降に太陽光を浴びる???」と思ったかもしれないが、研究の結果、5000ルクスほどの光があれば体内時計に影響を与えることがわかっている。
つまり朝9時までに朝日を浴びることで体内時計が早まり、逆に18:00以降に強い光を浴びると体内時計が遅くなってしまうというわけだ。
そもそも朝日を浴びると眠気を誘発する『メラトニン』という成分を一気に抑えることができるという報告もある。
また、睡眠への影響だけでなく太陽光を浴びることはストレス解消につながり、うつの治療効果もあるとされている。
これらのことからも、4時間半熟睡法では光(特に朝日)の影響を重要視している。
なお、5000ルクスというと春の昼下がりの窓辺位の明るさだ。イメージできるだろうか。
ちなみに一般的な蛍光灯の下50cm~1m位の距離で約1000ルクスと言われている。一般的な室内の明るさでは全然足りないことがわかる。
また、体内時計は元々25時間であることからどうしても遅れやすいという性質を持つ。
その為、夜間は室内光程度の照度であっても体内時計の遅れにつながる恐れがあるので注意が必要。
ポイント2 体に悪影響を与えないベストな方法(短眠法)
2つ目のポイントが4時間半睡眠という『短眠法』だ。
いくら睡眠時間を短くすると言っても体に悪影響を及ぼすのであれば本末転倒。
著者の遠藤氏はこの4時間半睡眠というのが体に負担をかけないベストな方法であると語っている。
それらを裏付ける理由は以下のとおりだ。
- 基本的には人の睡眠サイクルは90分であり、この4時間半睡眠法もこのサイクルをベースにしている。
- 作業能率を低下させないまま無理なく睡眠を短縮できるのは6時間。しかし1週間のうち4日間4時間の短眠をしたとしても1日だけ通常の長さに戻せば不足分はカバーできるという研究結果がある。
4時間半睡眠法はこの研究結果をもとに1週間を1セットとして以下のようにスケジューリングされている。
- ウィークデー(月曜~金曜)の5日間は『4時間半』(25:00~5:30)睡眠で乗り切る。
- 土曜、日曜のどちらかで『7時間半』(23:30~7:00)の睡眠をとって体を回復させる。
- 土曜、日曜のどちらかはパフォーマンスに支障がない『6時間』(24:00~6:00)の睡眠にする。
『平日の5日間は4時間半睡眠』を行い、その後『1日を長めの7時間半睡眠』もう『1日を影響を与えない6時間睡眠』にすることで1週間で見ると体にダメージを与えない、という説だ。
そうすると4時間半睡眠法とはいいながらも、1週間の実質の平均睡眠時間は約5時間8分ほどになる。
ポイント3 4時間半睡眠を無理なく体に叩き込む(起床術)
3つ目のポイントは短い時間で気持ちよく目覚めるための起床術だ。
この本で提唱している「朝5時半起き」をどうやって実現するかという点。
これには人間の体の仕組みである『反復効果』を使って解決している。
反復効果とは簡単に言えば同じことを続けるとそれに体が順応することを指す。
簡単にいうと『早起きを続けると体内時計がその時間に合う』という性質のことである。
ただし、太陽光が届かない日の出より前の時間に起きるのは中々難しい。
そこで日の出が早い春~秋に履歴効果で5時半起きを身につけて体を慣れさせ、そのまま秋~春を乗り切る。
過去2010年を例に北海道、東京、大阪、福岡、沖縄の1年の日の出時刻をまとめたものが以下の表だ。
春分(3/21) | 夏至(6/21) | 秋分(9/23) | 冬至(12/22) | |
---|---|---|---|---|
札幌 | 5:37 | 3:55 | 5:22 | 7:03 |
東京 | 5:44 | 4:25 | 5:29 | 6:47 |
大阪 | 5:58 | 4:45 | 5:46 | 7:02 |
福岡 | 6:19 | 5:08 | 6:07 | 6:47 |
那覇 | 6:33 | 5:37 | 6:18 | 7:19 |
東京や札幌では春分(3/21)~秋分(9/23)の半年間はほぼ5時半以前に日が昇ることになる。
この期間に体内時計を5時半起きのサイクルにセットすれば、日が短くなる秋以降も日の出前に問題無く起きられる、ということだ。
見ての通り西に行くほど日の出は遅くなる。
(大阪あたりですでに春分の日の出がほぼ6時であることを考えると、東日本の住民を前提にしているような気もする)
体内時計の9割は太陽光で決まり、残り1割は食事と運動によって決まる。その為、食事は毎食決まった時間に取ることで体内時計が調整しやすくなる。
また、運動についても、夜ウォーキングやヨガ、ストレッチなど就寝の2時間前に行うことで体内時計、メラトニンレベルが早くなると述べている。
ポイント4 快適な睡眠環境を作り眠りの質を高める
短眠法と起床術はあくまでも4時間半熟睡法のやり方にすぎない。何より重要なのが眠りそのものの質を高めることだ。
そのためのテクニックとして、この本では以下のポイントをあげている。
- 体温変化が快眠に重要な影響をもたらす。そのための環境を作る。
人間は『体温が下がることで眠りへと向かう』というメカニズムがある。
普段、君が眠るときも同じ様に体温が低下しているが、それは外気によって冷えた血液を全身に巡らせることによって行っている。
その起点となる箇所が手足だ。手足の表面はほかと比べて皮膚が薄く、外気の影響を受けやすい。ここで血液を冷やしている。
実際には人間は眠くなると手足が暖かくなる。「あれ?逆じゃない?」って思ったかもしれないがこれは体を循環して温まった血液が手足に集まって起こる現象。
この集まった血液を外気で冷やし、再び全身に巡らせて体温を下げようという働きによるものだ。
手足はとにかく冷やせば良いというものじゃない。
適温以上に冷やせば、防衛反応で下がりすぎた体温をあげようとして返って眠れなくなる。
遠藤氏によると手足の適温は33℃。
布団の温度をこの33℃に保てば速やかに眠りに入ることが出来る。
そのためには夏場でも室温を27℃~29℃くらいに設定した上で、湿気を調整し部屋をドライに保つことで快適な環境が手に入るということらしい。
また、体温のほか夜間の光についても言及している。
前述の通り、夜間の強い光は体内時計を遅らせる。
その為、夜9時以降は照明を全て間接照明へときりかえテレビやPCの照度を下げる。
これもまた快眠環境への重要なアプローチだ。
なお、睡眠の質に関しては『スタンフォード式 最高の睡眠』書評&実践レポという記事でも深く掘り下げているので、是非参考してみてほしい。
実践レポ
これらのポイントをしっかりと頭にたたき込んで、実際に4時間半熟睡法を実施してみた。
具体的には約1年間ほどの期間だ。
この本を読んだのが2016年10月。実践するには本来タイミングが良くない時期ではある。
とはいえ、春まで待ちたくなかったので気合で実践してみた。
要は5時半起床が難しいだけなので、そこさえクリアできればなんとかなるはずである。
やはり5時半起きは慣れるまで大変
いざ始めてみると、途中何日か寝坊した日もあったけど、おおむね本に書いてあるスケジュールに沿って続けることができた。
ただ、やっぱり最初の内はつらかった。
それまでは7時位に起きていたわけだからいきなり1時間半も早起きをしなきゃならない。
僕の場合はまあ、早めに起きてその時間でブログ書いたりしてたけど、十分な動機付けができないと中々起きれないだろう。
続けるだけのモチベーションが保てるならば、ゲームとかでもいいと思う。
とにかくある程度の日数続けていけば体内時計が合ってくるので徐々に楽になる。
それ以上に1時まで起きているのが超大変
早起き以上にきつかったのが1時まで起きているという点。
正直言って寝坊した回数よりも寝落ちした回数のほうが多い。
早起きになったからか毎日22時位になると眠くて仕方がない。
室温とか間接照明とか眠りにつくための環境作りなんかより、眠らなくて耐えられる方法を知りたい。
環境作りなんてする間もなく眠りこけてしまう。
しかも机とかソファで寝落ちした場合、大抵2時~4時の間に目覚めてしまうので眠りの質としては決して良くない。いやむしろ最悪レベルだ。
だから途中からどうしても耐えられない場合は大人しく布団に入って寝るようにしていた。
どうにかして耐えるための苦肉の策として夜眠くなった際に高確率で復帰できるテクニックを編み出したりもした。
実際このワザを使ってからかなり寝落ち率が低下し、なんとか1時まで起き続けることもできるようになった。
睡眠時間を90分サイクルに合わせられない
なんとか1時まで起きられた時も布団に入ってすぐ眠れるわけじゃないので、実際にはきっちり4時間半睡眠というわけにはいかない。
さらにはうちの場合は小さい子供がいるので、夜起こされてスケジュールが乱れることもあった。
そもそもきっちり4時間半睡眠が取れて、その後朝日をしっかり浴びたとしても、どうにも眠気が取れないときもある。
やはり眠りには個人差があるようで、体調や環境によって90分サイクルであってもすんなり覚醒するとは限らないのではないだろうか。
※最近の研究では必ずしも眠りは90分サイクルではないことも指摘されている。
日常生活への影響
僕の場合、日中に猛烈な眠気が襲ってくるようなことはまったくない。
あるとすれば22時以降だ。
また、体調面での変化も特に見られない。(少なくとも自覚症状においては)
数年に渡って続けた場合はどうなるかわからないが、少なくとも1年程度では直ちに影響はないもよう。
逆に『体が軽くなった』とか『頭が冴えるようになった』といったプラス面での効果も残念ながらなかった。
短眠生活 良かった点
約1年に渡って続けたことで、メリットといえるのは何と言っても使える時間が増えたことだ。
今までは24:00~7:00位まで寝ていたのが25:00~5:30になるわけだから単純に平日だけみれば、毎日2.5時間ほど時間が増えたことになる。
1週間で12.5時間。1ヶ月で50時間、1年で600時間も生み出せた計算になる。
もちろん実際には寝坊した日や寝落ちした日もあったし、旅行や飲み会、子供が6時前に起きてきてしまって何も出来ない日も多々あった。
だけど少なく見積もっても400時間程度の自由時間を手にすることができたのではないか。
体調面に影響が見られない以上、これは非常に大きなメリットである。
短眠生活 悪かった点
一方悪かった点としては『少なくとも表面上は何もない』と言える。
当然、4時間半熟睡法を実施するための努力は必要だが、デメリットといえるほどのものは感じない。
将来的に体にどういった影響が起こるかは不明だが一応は専門医が推奨している方法なので、ある程度信頼していいのでは。
まとめ
というわけで巷で話題の『4時間半熟睡法』についてのポイントとコツ、そして実際に試してみた感想をまとめてみた。
もちろんコレは僕個人の感想だし、人によって合う合わないはあるとおもう。
睡眠というのは人間にとって非常に重要なものであることは間違いないので、安易に睡眠時間を削るのは危険だ。
なので本格的に実践したい場合は実際に本を手にとってみることをおすすめする。
間違った方法で体調を崩しては本末転倒ですからね。
君も限りある時間を有効活用しよう!