僕は7年くらい前にバイクの免許をとって、それからずっとブルバードってバイクに乗っています。
まあバイクに興味がない人にとってはなにそれ?って感じの話かもしれませんが。
一般的にバイクってやつは色々なタイプを乗り継いでいくってのが定説らしいです。
そんな中、1つのバイクをずっと乗り続けているというのは割と少数派。
今回はなぜ僕はひたすらブルバードだけを乗り続けているのか?
っていうかなぜアメリカンなのか?
そもそも大型免許を取らないのか?
レビューがてらそんなことをつらつらと語ってみます。
『国産のアメリカンバイクに興味があるけど実際どうなの?』とか『大型って必須?中型免許じゃ物足りなくない?』って人にはきっと参考になるはず。
国産アメリカン(クルーザー)とは
一応念のため『アメリカン』の定義について再確認してみよう。
そもそも国産アメリカンって言葉が矛盾してるよね。
アメリカ生まれだからアメリカンらしい。ジャメリカンなんて揶揄されることもあるとか。
正しくは『クルーザー』と言われるタイプのバイクを指す。
元々はアメリカで広い大陸間をクルージングするようにのんびり走るためのバイクで、ゆったりと運転するのに適したバイクなんだ。
そんなわけで、狭い日本の道路には向かないとされていて、正直言って様々な種類があるバイクの中でもとりわけ人気が低い。
現に2017年9月現在普通に新車で買える400cc以下のアメリカンバイクは1つも残っていない。
つい先日、最後まで残っていたヤマハのドラッグスターが今月生産終了となり、普通免許で乗れる国産アメリカンの新車を手に入れることは極めて困難になってしまった。
とはいえ、中古を探せば走行距離が短く状態がよいものはゴロゴロある。
そもそもバイクは多くの人がすぐに手放してしまうんだよね。
前述の通り新しいバイクへの乗り換えだったり、維持が難しくなってしまったり、飽きてしまったり、結婚したり、とかの理由でね。
ちなみに僕のバイクはすでに40000km近く乗っているけど、ノントラブルで絶好調!
最長で4ヶ月乗らない時期があったけど、それでも一発でエンジンかかったしね。
国産のバイクってすごく頑丈だから、事故車だとかよっぽど放置されていた場合を除いて、中古でも全然問題ない。
多分僕のバイク中古で出したら店頭ではせいぜい20万位だろう。
でも10万km位は余裕で乗れそうな勢いだよ。
スズキ ブルバードの魅力とは
さて、ではここで僕の愛車ブルバードの魅力をお伝えする。
もし中古でブルバードを買おうなんて考えている危篤奇特な人がいたら参考にしてみてね。
・アメリカンバイクっぽくない妙なデザイン
実はこのブルバード400は過去になんどかリニューアルしている。
中でも2010年モデルからデザインが大幅に様変わりしたんだけど、そのデザインがかなり独特。僕が持っているのもこの2010年モデルだ。
ライバルのヤマハのドラッグスターとかホンダのシャドウとか、あるいは同じスズキのイントルーダーみたいなわかりやすいデザインじゃない。
よくあるママチャリみたいなへにょって曲がったハンドルじゃなく、アップポジションのバーハンドルっぽい形。
全くと言っていいほど風よけの効果がない、オマケみたいについてるビキニカウル。
さらにシングルシートカウルをつけると、なんかカブトムシみたいになる形状。
あえてスクエア型のライトを付けたことでちょっとメカっぽいフロントデザイン。
他の国産アメリカンバイクと一線を画す、まさにスズキらしいデザイン。
僕が一目惚れするのも無理はない。
・実は400ccアメリカンバイクの中ではちょびっとだけ馬力が上
最高出力(ps)という単位で表される馬力。
ライバルマシンとの比較表が以下の通りだ。
マシン名 | 最高出力 | 最大トルク |
---|---|---|
ドラッグスター | 22kW(30PS)/7,500rpm | 31N・m(3.2kgf・m)/6,250rpm |
シャドウカスタム | 23kW(31PS)/7,000rpm | 33N・m(3.4kgf・m)/3,500rpm |
ブルバード | 24kW〈33PS〉/8,000rpm | 33N・m〈3.4kgf・m〉/6,000rpm |
見ての通りドラッグスター、シャドウと比べてほんのちょびっと馬力が強めだ。
なお、最高出力は速度、最大トルクは停止時からのパワーと思ってくれていい。
そういう意味では最高速はほんの少し上だが、パワーはドラッグスターより下だ。
たった3psだけど1割だからね?意外とバカにできないよ?
まあ体感的にはほとんど変わらないと思いますが。
ちなみに、同じスズキのイントルーダーはブルバードと全く同じスペック。中心部分のパーツは同一だからね。
・だれかとカブる可能性が恐ろしく低い
ブルバードオーナーのブログとかレビュー記事におそらく一番書かれている最大の特徴はコレ。誰かとカブらない。
まあ確かに僕も東京で今まで約7年間乗ってきて過去に見かけたのは2度だけ。
1台は奥多摩で別カラー。もう1台は九州ツーリングの際に同じカラーを見つけただけ。
つまり僕は実質的に1000万人超が住んでいる東京都内で、7年間もの間一度もブラックのブルバード400(2010年モデル)を見たことがないのだ。
いや、見たこと無いだけでオーナーはたくさんいると思うよ?
でもツーリング時だけでなく、日常生活の中でもみかけないのだから恐ろしくレアだよね。
(ぶっちゃけシャドウとかイントルーダーも見たこと無いけど。。。)
腰痛持ちも安心の肉厚シート&ゆったりポジション
僕は過去にぎっくり腰を発症したため、腰痛持ちです。
だから多分レプリカみたいな前傾姿勢で乗り続けるバイクだと、途中で音を上げてしまうと思う。
でもアメリカンバイクならご安心ください。
肉厚のシートでゆったりしたポジションゆえに腰のダメージはほぼなし。なんたって長距離ツーリングのためのバイクだからね。
1週間の北海道ツーリングでも全然へっちゃらでした。
アメリカンバイクらしくないハンドル周りゆえに自然と体が起きるし、シート面が広いので後方に座ってスクーターみたいに足を伸ばしながら乗ったり風よけのために前方で縮こまって乗ったりと色々ポジションを変えられるので、お尻も痛くならないんだよね。
超重量ゆえの抜群の安定感
重いマシンだけにその安定感は抜群。
風が強い日でもふらついたりすることはほとんど無い。
そもそも重心が低いからかなり安定しているし、足つきがいいので重い割にタチゴケは1度もない。
バイクを出し入れするときは大変だけど、走り出してしまえばどっしりと地に足の着いた走りができる。
これはアメリカンバイク全般のメリットと言えるね。
あと、取り回しだけど、もちろん決して良くはないけど実はそこまで悪くもない。
ハンドルが持ちやすいのと重心が低いので、正直教習車のスーフォアより楽かも。(前に進むだけなら)
長距離ツーリング向けのタンデムシート周り
さっきも言ったように長距離ツーリングを想定しているバイクだから、積載性も抜群だ。
ただでさえ安定感がある上に他のタイプのバイクと比べても圧倒的にシートが低いので、荷物を沢山載せても走行時停車時ともにほとんど影響しない。
もちろんこれはタンデムするときのメリットにも直結するよ。
どうだろう?このメリットの数々。だんだん『なんだ400ccのブルバードだって十分じゃん。いや、むしろ魅力的じゃない??』って思えてきたよね?
スズキ ブルバードの欠点とは
メリットがあればデメリットもある。
というかブルバードに限らず、400ccのアメリカンバイクというジャンルはデメリットが非常に多い。
むしろ欠点目白押しだ。
だけど時に欠点も『まあ仕方ないか』『むしろカワユス』って思えてくるから不思議なものだよね。
そんな僕がつい人に嬉しそうに語ってしまうブルバードの欠点を上げてみよう。
重い!でかい!ジャマ!!
まあコレですわ。
とにかくデカくて重い。
エンジンが停止しているときはもう完全に巨大な鉄のカタマリ。
アメリカンバイク乗る人はこの圧倒的なデカさと重量感がたまらないって人も多いと思うんだ。
実際、周りからも「でかいねえー!」って褒められる(?)ことも多いし、そこがアイデンティティとも言える。
けど実際、駐輪場からははみ出すし、バイクカバーだって大抵一番でかいタイプが必要になる。
エンストしたら?なんて恐ろしくて考えたくもない・・・。
あと坂道で下手な止め方して詰みそうになったことも何度かあるよ。
スタートダッシュで原付きにもちぎられる非力っぷり
重量に対して完全にトルク不足。
加速が相当ズブい。
『ブルバードはアメリカンバイクのなかでもスポーティな走りを楽しめる!』なんて煽ってる本とかあるけど、ぶっちゃけ普通に遅いから。
250cccのVTRよりもトルク低いのに乾燥重量で100kg以上重いんだもの。
さもありなんって感じです。
ちなみに山道とかで普通にカーブ曲がるだけでもよくステップ擦るからね。
当然だけど走りを求めるようなバイクじゃあない。
時速100kmを超えると途端にきつくなるフロントデザイン
そもそも振動がものすごい。
普通に100kmくらいでガタガタ震えだす始末。
しばらくエンジンを高回転で温めた後にじわじわとスピードアップしていくことで、たぶん120kmくらいまでなら振動は耐えられる。(と思う)
おそらくソレ以上はそもそも振動以前に風圧で僕の体が持たない。
前述の通りビキニカウルは何の風防効果も無い。
一応公式のシールドはあるんだけど、デザインを重視しすぎているためか肝心の風よけの効果が薄いというオチ。
思いっきり体を伏せれば風よけになるんだけど、普段のポジションだとシールドがあっても普通に風をくらうんだよね。
まあMAX120Km位と考えておいたほうがいい。てかそれで十分でしょう。
ジェットヘルメットの防音効果も薄まるアップポジション。
ハンドルがやや手前に来ていることもあって、自然と体が起き上がるポジション。
だからジェットヘルメットを被っていると風切り音がものすごい。
僕が使っているのはSHOEIの『J-Cruise』ってやつなんだけど、一応ジェットヘルメットの割には防音性能が高いとされているけど効果はさっぱりだった。
多分正面から風をモロに受けちゃうから、あんまり風を受け流せないんだろうね。
実際に無理やり体を伏せて前傾姿勢を取ると音が解消されるので、ポジションによる影響は大きいと思う。
なぜハーレーじゃないのか
僕もアチコチにいくとよく聞かれます。
「コレってハーレー?」「ハーレー買わないの?」「やっぱりいつかはハーレーでしょ?」
僕「・・・」
いや、別に悪気がないことは知っているし、僕も気悪くなったりしないんですけど。
でもね、400ccのアメリカンバイクを乗っている人は、そのバイクが好きだから乗っているんです。(多分)
お金がないから、大型免許がないから、下位互換の400ccアメリカンバイクを乗っているわけじゃないんです。(多分)
他のタイプのバイクにしても実際に乗ってみたら考えが変わるのかもしれないけど、多分そういう機会も無いと思う。
僕はブルバードで満足している。
そもそも嫁さんよりも長い間一緒にいたバイクを手放すなんて、すごく勇気がいることだし。
だから僕は今後もきっと大型免許も取らないし他のタイプのバイクも乗らないし、ましてやハーレーを買うこともないでしょう。
ブルバードを降りるときは僕がオートバイから卒業するときです。
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・・・1年後。そこにはハヤブサで元気に走り回る僕の姿が・・・!
もはや400cc自体が絶滅危惧種。しかし光明はある
平成28年度排ガス規制で400cc以下のバイクラインナップは一気に減ってしまった。
さっきも言ったように、400cc以下クラスのアメリカンバイクの血筋はここで一度は完全に途絶えることになる。
ただ、過去にも同様に排ガス規制による締め付けはあって、そのときもラインナップがぐっと減ったことはあった。
けど一度廃版になったタイプも数年後に規制を突破して華麗に復活を遂げたこともあるので、今回も気長に待とう。
2020年にも更にまた排ガス規制が行われるし、ABS義務化もあるのでそれらが落ち着いてからになるだろうけどね。
しかしまあ過去と比べても国内でのバイクの売れ行きは更に減っているので、どうしたって先細りになっていくよね。
時代の流れってやつだから仕方ないのかもね・・・。
まとめ
バイクってのはネイキッドやオフロード、メガスポーツ、クラシック、スクーターと色々なタイプがあるんだけど、これがまた本当によく出来ている。
すごく完成度が高い格ゲーみたいにどのタイプも一長一短あってどんなバイクも必ず欠点はあるし長所もある。
そのバランスが素晴らしい。まるでストⅡ。
なんとなくイメージ的には、アメリカンはダルシム、オフロードは春麗、クラシックはガイル、ネイキッドはもちろんリュウケンって感じ。
全てのタイプのバイクにファンもアンチもいる。
あらゆる面で絶対にコレが一番すぐれているバイクなんて存在しない。
だからきっとライダーは様々なタイプのバイクを乗り換えるし、色々な種類が廃れること無く残っているんだろうね。
別のタイプのバイクを乗っている君も、次はちょっと趣向を変えてブルバードあるいはアメリカンバイクに乗ってみない?
新たな魅力にハマっちゃうかもよ?
僕はこれからもきっとブルバード一筋で乗り続けますよ!
いつかまた400ccのアメリカンバイクが復活するその日を楽しみにしながらね!
おまけ
2018年モデルのハーレーのバイクでブルバードにそっくりなものを発見。
特にフロント周りが・・・。
なんか関連性あるのかしらね。
おしまい